ボクの母親 1

ボクが幼いころはまだ優しい母さんだった

家の中は綺麗じゃなかったけど部屋で遊べるスペースもあった

母さんが変わっていったのは宗教のような所へ行きだしてからだ

ボクがまだ幼稚園に行くか行かないか それ位の時期の事

当時 まだ夜も明けない時間帯に起こされて 時にはパジャマの

まま上着を着せられそこに連れていかれていた

ボクがその頃住んでいた家の付近には 街灯も少なくて 大通り

に出るまでには舗装されていない階段があって 薄気味悪い場所

を通らなければいけなかった 

そしてその集会場に行くまでには1時間以上歩いていたのかボク

は母さんに「もう歩きたくない」と拗ねて言った事もあった 

眠いのに起こされて まだ夜も明ける前 わけの解らない所に連

れて行かれるのも嫌だったという記憶が残っている

集会場の中の記憶はぼんやりで 体育館のような所に10人以上位

の人がポツポツと座っていて そんな中 壇上で知らない人が

喋っていた という様な記憶だ

そんな事がはじまり何度目の事か? 家を出てすぐ、道なりの悪

い階段を下りている時の事(MTさんの家付近で)暗闇の中 凄

い形相でオヤジが怒鳴りながら駆け下りてきた

 

「こんな時間にどこに行くんだ!こんな小さい子を連て!!!」


母さんは 何かオヤジに言い返しながらも逃げるようにボクの手

をひきながら階段を下り(SKさんの家)の手前で言い争いを

していた

その時はオヤジと母さんとでボクの手を引っ張り合いになった末

母さんは一人で行ってしまい ボクは家に戻った

その頃のボクは泣き虫でよく泣いていたが その時は特に大泣き

した事は覚えてるけど そのあと家に戻ってどうしたのかという

記憶が全くない

だけど あの暗闇の中でのオヤジと母さんのやりとりは ボクの

中で恐怖の一つとして植え付けられた 

あの時の光景は ボクの中で悪夢の一つとして夢に出てくる場所

になった いつも悪夢を見ているわけじゃないけど 夢見が悪い

時にはうなされて目が覚めるくらいの時もある

その後も母さんはそこにたまに行ってたようだが ボクが小学校

に行きだした頃は連れていかれる事は少なくなった